トップページ > 看護師・ナースの基礎知識「看護師のコミュニケーション学1」

時代は変わり、他の職業と同様、看護師の世界においても転職が普通になりつつある点は良い傾向ですね。今までは何か違和感を感じても、耐えるか、あるいは辞めるかしかなかったところ、そこに「職場を変える」という選択肢が出てきたのです。貴重な人生の貴重な時間を費やすわけですから、やはり、納得ができ、やりがいが感じられ、「ありがとう」という言葉が聞ける職場で働きたいものです。

看護師・ナースの基礎知識

  • 看護師のコミュニケーション学1

われわれは、同じような内容の出来事でも好意的な印象をもったり、反対に好ましくない印象を持つことがあります。また同じ内容のことを伝えられても良い印象で受け取ったり、嫌な印象を持ったりします。

こうしたことの理由は、われわれの記憶が映画のように時間の流れにしたがった連続したものではなく、写真のようにある場面がスナップショットのように記憶に強く残ること、良い情報と悪い情報を伝える順序、また時間的に近い出来事の方が強く印象付けられるといった事実から来ています。

まず、順序の問題から考えましよう。たとえば、みなさんがアメリカのラスベガスに遊びに行って、ルーレットをしたとします。最初の日、あなたは5ドルを2回かけて、10ドルもうけ、その後、10ドルかけて負けてしまい、10ドルの損をしてしまいました。

収支決算は10ドル勝って10ドル負けたのでプラスマイナスゼロです。しかし、この日はなんとなくついていないような気がして不愉快でした。

さて次の日、またルーレットをして、この日は、最初に10ドルまけて、その後、5ドルを2回かけ計10ドル勝ちました。この日はなにか得をしたような気分でホテルに帰リました。

2日目も収支は実はゼロでした。それでも最初の日は負けた気分になり、翌日は勝った気分になったのはなぜでしょう。

答えは単純で、その日の最後の勝負を勝った日は気分がよく、負けた日は気分が悪かったのです。本当は2日とも収支はゼロで、得も損もしていないにもかかわらずそう感じるのです。

「終わりよければすべてよし」と言いますが、人は、出来事の最後が好ましければ、全体についても好ましい印象を持つということです。

他人に何か嫌なことを告げなくてはならないとき、他人になにか注意を与えなくてはならないときにどうしたらよいでしょうか。

たとえば、ある部下の仕事ぶりが、一生懸命やっているのだが時々不注意になって失敗するような場合、この部下に注意を与えなくてはなりません。あなたは、どのように話しますか?

よくあるのは、「君は仕事をいつも一生懸命やっていて、みんなも褒めているよ。でも見ていると時々不注意になって失敗してしまうね。もっと気をつけて仕事をしなさい」というパターンです。〈最初に褒めて後で叱る〉という方法で、よく使われるアプローチです。

しかしこれだと部下は、最後の「俺は叱られたのだ」という事実が強く印象付けられて、不愉快な気分にならざるを得ません。

もう一つのパターンは、「ねえ君、君に一つ注意をしなくてはならない。君は時々不注意になって、失敗をしてしまうようだね。もっと注意して仕事を進めてもらわなくては困るよ。しかし、それはそれとして、君は見ていると、いつも一生懸命に仕事をしているわ。見ていてとても気持ちがいいよ」

後のしかリ方の方が良い印象を与えて、効果も上がると思いませんか?

先に褒めて後でしかる方法は、しかる人がその方が楽だからです。最初に関係を良くしておいて、それから嫌なことを伝える方が、自分の気持ちも楽だし、うまく行くと思っているからです。

実際には最後に注意された嫌な気分が強く印象に残ります。それに怒るというのは注意する人も嫌なので、興奮気味になって、そのことも強い印象の原因になりやすいからです。

つぎは、良いことと悪いこととの組み合わせの問題です。ラスベガスのルーレットの場合と同じく、良いことはバラバラに体験しても全体として良い印象で記憶に残るが、悪いことはバラバラにすると、実際よりも時開か長く感じられることになります。

ディズニーランドの乗り物は、不自然にならない程度に短い時間で1回が終わるように計画されています。それは楽しい経験を何度も体験させるためです。

反対に、嫌なことはできる限リまとめた方が良いのです。まとめた方が悪い印象が短くて済むからです。

たとえば、歯科での歯の治療で痛みをともなう処置の場合、「痛いから少し休みましょう」などというアプローチは良い方法ではありません。

痛みの時間がますます長くなるだけです。

嫌な時間はまとめてサッサと終えるのが良い方法です。何回も嫌な経験をしないように1回にしてしまうのです。

また、先ほどの原則からいって、終わりを感じ良くするためにも、痛い治療はなるべく早めに済ませて、次に痛みの少ない処置に移る方がよいでしょう。

同じように、悪いニュースを相手に伝えなくてはならない場合、なるべく早く簡単に連絡する方が嫌な思いが少なくてすみます。

相手は、良くても悪くてもニュースを早く知リたくて不安になっています。不安を長引かせるのではなく、ストレートに率直に伝えてあげる。その方が相手に早く立ち直る機会を与えることになります。

参考になさってください。


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