トップページ > 看護師・ナースの基礎知識「看護師のコミュニケーション学2」

時代は変わり、他の職業と同様、看護師の世界においても転職が普通になりつつある点は良い傾向ですね。今までは何か違和感を感じても、耐えるか、あるいは辞めるかしかなかったところ、そこに「職場を変える」という選択肢が出てきたのです。貴重な人生の貴重な時間を費やすわけですから、やはり、納得ができ、やりがいが感じられ、「ありがとう」という言葉が聞ける職場で働きたいものです。

看護師・ナースの基礎知識

  • 看護師のコミュニケーション学2

前回のコラムでもご案内したように、われわれは、同じような内容の出来事でも好意的な印象をもったり、反対に好ましくない印象を持つことがあります。また同じ内容のことを伝えられても良い印象で受け取ったり、嫌な印象を持ったりします。

前回は順序の問題から考えてみましたが、今回は出来事の理由についでです。

人は、何事につけても、自分に起きた悪い出来事の原因や理由を求めるものです。しかしその理由の付け方はあまり合理的ではありません。

まず、さまざまな出来事が連鎖して起きていても、その内の一つに原因を求めがちです。たとえば、約束に遅れそうな場合「自分でゆっくり歩いてきた」といった他の理由があったにしても、電車の遅れが約束の時間に間に合わなかった原因だと思ったりします。自分でなく、他に悪い原因を求めてしまうからです。

また本当は、仕組みやシステムの不備が原因でも、しばしば担当者が問題の原因だと見なされ、責任を押し付けられることがあります。これは人間の方が目につきやすいからです。

病院内でも、こうした事はしばしば起こると思います。もし、患者さんがこうしたことで看護師に文句を言った場合、感情的にならずに、落ち着いて説明することが大事です。順序よく落ち着いて説明すれば、分かってもらえることが多いからです。

起きている問題そのものに、文句を言っている人自身が関係している場合、その人は問題を強くは感じていないものです。「貴方にも責任があること」をやんわりと指摘してあげるのが問題を拡大させない良い方法でもあります。

もうひとつ大事なことは、患者さんに手段を選ばせるという形で参加してもらうことです。たとえば採血をするときに右の腕から取るか、左の腕からにするかを患者さんに選ばせると、患者さんの不安が軽減されるという事実は良く知られています。

また、ある飛行機会社では、乗客が自分で行う自動チェックイン機とカウンターで係にチェックインを依頼した場合では、自動チェックイン機を使った場合のほうが、文句を言ってくる回数が少なかったといった調査結累があります。

また、ガンのように重篤な病気の場合、そしてその治療方法が複数ある場合には、患者さんに良く説明して、患者さんに治療方法を選ばせたほうが、治療結果が良好だったという報告もあります。

いずれにしても人間は自分で決定したことにはそれなりの責任を感じるものです。だから患者さんや顧客に選択肢を与えられる状況なら、選択肢を提示して本人をかかわらせるのが良い方法です。またその意味からも、サービス提供者は、クライアントに複数の選択肢を提案できるだけの対応能力を備えておかねばなりません。

もう一つ、人間は決まり切ったこと(英語でリチュアルといいます)を好む性質をもっています。

リチュアルを行うことで人は安心するのです。みなさんも朝起きて夜寝るまでに、いくつかのあなたなりのリチュアルを持っていませんか?

そうしたリチュアルを行うことで、生活に区切りができ、安心してその日を始めたリ終えたりすることができるのです。入院患者には病院と治療の都合でいくつかのリチュアルがあります。

定時に体温や血圧を測る、食事をする、一定時間に消灯するといったことです。これらは看護師がかかわっていることが多いわけですから、そうした患者さんのリチュアルを強調して対応してあげることが大切です。

検温や食事のときには、楽しく笑顔で声をかけてあげましよう。そうすることで、患者さんはよリ安心して気持ちが安定する可能性があります。

参考になさってください。


看護師・ナースの方が転職したい!と思ったら。

>>>看護師転職・ナース転職サイト比較ランキング


看護師・ナースの基礎知識

トップページ
看護師転職サイト比較
看護師・ナースの基礎知識

目次

トップページ
看護師転職サイト比較
看護師の転職事情コラム
看護師転職コラム
看護師・ナースの基礎知識
看護師の目標設定
主任看護師入門

口コミを投稿する