トップページ > 主任看護師入門「看護師の仕事術2/一番の反対者と手を組む」

時代は変わり、他の職業と同様、看護師の世界においても転職が普通になりつつある点は良い傾向ですね。今までは何か違和感を感じても、耐えるか、あるいは辞めるかしかなかったところ、そこに「職場を変える」という選択肢が出てきたのです。貴重な人生の貴重な時間を費やすわけですから、やはり、納得ができ、やりがいが感じられ、「ありがとう」という言葉が聞ける職場で働きたいものです。

主任看護師入門

  • 「看護師の仕事術2/一番の反対者と手を組む」

私の6つの仕事術を紹介します。

その1:今より面白くする。

その2:全員が賛成することを求めない。一番の反対者と手を組む。

その3:「わからないので教えてください」「ありがとう」

その4:成果は後から出るもの。現時点で「嫌われるか」「好かれるか」の物差しはとりあえす横に置く。

その5:もめ事があるのは健康な組織。もめ事を楽しむくらいの余裕を持つ。

その6:失敗の数=立ち直りの数

あなたもそうだなあと思ったら、あなたの仕事術に入れてみてください。

・仕事術その2/全員が賛成することを求めない。一番の反対者と手を組む。

看護師は、「みんなで」とか「みんなが」というのが大好きです。同じようにしない看護師がいると、どうも気になるようです。

しかしやりたい人がやりたいことができればよいので、全員に押しつけないことを基本にすると、とても気持ちよく仕事ができます。

病棟のみんなでやると決めたのにやらない人が出てくるというのは、本心では賛成していなかったのだけど発言しなかったり、発言できなかったりしたのかもしれません。

今やるにはちょっと無理な内容だけど、よいことだから正面切って反対できなかったのかもしれません。決めた内容をよく理解しないで、都合のいい解釈をして賛成していたのかもしれません。

あまり何も考えていなくて、実際やってみるとやめればよかったと思ったのかもしれません。

なかなかうまくいかないということには、それなりの理由があるだけでなく、理解して自分のものにしていくのに時聞がかかっているということもあります。決めたら、さっと思いどおりいくと考えている方が勘違いなのです。

決めたのに守らない人がいるとか、決めたことに裏でケチをつける人がいるとか、せっかくやろうとしているのに足を引っ張る人がいると悩むより、「やりたくない人はやらなくてよい」という前提で構えていた方がよいです。無論、最低限の約束事というのはありますが、決まり事が細かすぎるために動きがとれなくなることもあるのです。

私はものを決める時、「とりあえず」「しばらくの期間だけ」「試してみる」という決め方をして、いつでも変更できるようにしその時反対だった人が賛成したり、賛成だった人が条件つきの賛成になったり、条件つきの賛成の人が反対になったりできる余裕を残しておいて、その気になるまでに少し時聞をかけます。

余計な仕事が増えずに、楽しいこと、誰もがやりたくなるようなことを決めたのなら、いつかはみんな必ずやり始めます。決まり事には最低ラインを設定しますが、そのラインは誰でもできるような低いレベルにして、自由裁量でできるように範囲を広げてお き、いつから始めてもよいこととし、決まり事に縛られないようにすることが、一人ひとりのやる気を育てるポイン卜です。

そして、大切なことは、その時やらない人聞を非難しないことです。

非難されれば言い訳をしたくなるし、裏で足を引っ張り、結局協力するどころか、自分がやらないでいることを正当化するためにだけ奔走してしまいます。しかし、面白いことをやっていれば、そういう人でもいつかはやるようになります。そして、後でやり始めたからと言って「何よ、今頃」と言わないことです。

時間差があるのは必然のこことして、早く始めるのもよし、後で始めるのもよし、というスタンスが大切です。

また、多数決で物事を決める際は、全員一致を条件にしないことです。

全員の意見を聞いて、大多数の人が賛成でも、保留や反対者の意見を大切にします。その少数意見をどうにかして何らかの形で反映できるような方策を考えます。

それが、とりあえず決めるとか、期限を区切ってやってみるとか、ある条件の時にはしないとか、そういう付帯事項を決めて、少数意見を取り入れていくことが重要なのです。

大体、真正面から反対意見を言う人は、決して反対している人ではありません。その人が理解できるような説明でないか、勘違いするような説明の仕方なのか、勘違いしてしまうような状況なのか、思い込みから抜け出せないかだけです。

反対意見を言う人は、その問題を考えているから言えるのであって、またはその問題に関心があるから反対と言っているので、その時点で見解が違うからと言って、その後もずっと考えが変わらないなんてことはありません。

むしろ、どちらでもいいですなんて言っている人よりずっと、あなたの考えに近いことを考えていることだってあるのです。

私は、本当に病棟の中で何かを変えたい時、最も反対している人とどうやって手を組むかを考えるようにしています。それは、病院という範囲で変えたい時も同じです。意見の近い人聞を説得して順番に仲間を増やしていく方法をとる人が多いのですが、そうすると結果として反対勢力ができ、派閥のようなものが生まれてしまうのです。

本気になって変えたい時は、その時点で最も反対している人は誰かを観察し、その人と手を組むことが一番の近道です。全員一致でやりたいと思った時は、その方法が一番です。その際、「わからないから教えてください」と頭を下げて聞きにいき、「ありがとうございました」と感謝の言葉を述べると、いつもは意見が違う人の心をつかむことができます。

話し合いというのは、前提条件が違えば、意見も異なるのが当たり前です。互いの「違い」や「思い込み」をすり合わせるだけで、話し合いの意味があります。ですから、決まり事というのは、「とりあえず」「仮に」決めておくに過ぎないことであって、後から何回も決め直せばよいだけのことです。

病棟で、話し合ったのに、決めたとおりにやれない人がいるという時には、やらないその人のせいにしたり、 「主任さん、言ってくださいよ」の言葉に惑わされたりしないで、そもそもどんな決め方をしたのかを振り返って仕切り直しをするとよいです。

(続く)

参考になさってください。

(福祉系大学准教授)

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